私の中に答えはあるのですが、敢えて「?」としてみました。
最近、うちのチームは以前からチームを知る人や対戦相手の監督さんに「チームの雰囲気が変わりましたね」「元気いいチームだねぇ」「今日の試合は声で圧倒されました」など、『声』に対する講評を頂く機会が増えました。春からチームを預かるようになって私がこだわって取り組んできたことで、選手もそこについてきてくれたことが周囲からも評価頂く機会が増えたことはとても嬉しく思います。
「声で野球が上手くなるわけではない」
「声を強制的に出させられるのは『多様性の無視』だ」
「元気がないのも『個性』だ」
声に対して否定的な意見も聞かれる中で私が『声』を大事にしているのは以下の5つあたりを理由としています。
①準備
例えば、キャッチボールの時、相手がボールを投げる前に捕り手が「来い!」と声をかけるだけで「捕球の準備」になります。守備におけるエラーって偶発的なものは意外と少なくてエラーする時はだいたい「あっ、やるっ!」と思うとだいたいエラーします。準備不足なんですよね。バウンドへのアプローチやリズム感、足運び、グローブを出すタイミングや角度など、だいたいエラーには十分な準備ができていないなどの理由があります。
捕球に際して「十分な準備ができた」または「準備が間に合う」と思った時に「OK!」と声を出すことは自分が準備できるという確認でもあります。
②積極性
「声が出ない子」って単に「元気がない」「大人しい」といった理由だけでなく、「何を声として発して良いか分かっていない」というケースも多いです。グラウンド内での「思考」が足りない可能性が高いです。状況を注視して「今はどんな声を発するべきか?」と思考して声として発信することで、思考や行動に積極性が出てきます。私は「積極性」と「準備」には強い因果関係があると思っています。
③責任感
「OK!」「オーライ!」と声を出すことで選手はそのプレーに対して「責任」が発生します。自分で「任せろ!」と宣言することで自分自身のプレーに対して責任を負い、その責任を繰り返し果たしていくことで、周囲から信頼を獲得します。黙々と結果を出して信頼を獲得することもなくはないですが、より自分で「能動的に信頼を獲得する」ためには自ら積極的に責任を負おうとする姿勢が大事なように思います。
④意思疎通
ご家庭の中では長い時間一緒にいる家族であれば言わずとも分かってもらえるかも知れません。しかし生活環境や競技に対する習熟度も異なる選手間で意思疎通をするためには声を出して確認し合うことが必要です。特に子どもの場合は「暗黙の了解」が大人ほど形成されていないので、細かな意思疎通を行う場面が必要だと思います。
⑤安全性
野手の中間に打球が飛んだ時など、「俺が捕るから近くな」などの警鐘として声が必要です。野手同士が交錯して怪我に発展するケースだってあります。安全にプレーするためにはお互いの役割分担を確認するような声も必要です。
声に「出し過ぎ」はありません。
時には「言われなくても分かってるよ」という声がかかるかも知れません。でもそれは本当にチーム全員が分かっていることなのか?1人だけ分かっていないことはないか?などのリスクを防ぐためにも「分かっていると思うけど確認の意味で」という声も大事だと思います。これができるチームはちょっとした取りこぼしが少ないように思います。
いわゆる「そつのないチーム」です。
そしてそれらは普段から「声に出して」をやっておかないと試合中にはできません。
あと、個人的な意見ですが元気のいいチームと試合すると、こちらも楽しいと感じます。野球は元々『遊び』です。Play Baseballですから。
『遊び』であれば「また一緒に遊びたいね」と思われるような試合したいです。
「強いor弱い」よりも「また試合したい」と思ってもらえるチームを目指したいです。
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