今の子どもは我々の時代よりも慎重な子が多いです。
失敗を恐れ、結果を求める傾向が強いように感じます。過去の成功体験を重視し、リスクを取ることに対して消極的な子が多いです。
私は「結果が出ていない選手ほどリスクを取るべき」だと思います。今、結果が出ていないのは技術的に何らかの課題を持っていることが多く、それまでの技術や方法論を見直さなければこれから先も同じ結果が続く確率が高いと考えるからです。
「失敗を恐れず挑戦する」
とは結果を気にせずに闇雲にやる、という意味ではありません。過去の成功体験を捨ててでも、もっと大きな成果を積極的に取りに行くことを意味します。例えば10本のダッシュを課した時、後半に体力を温存して最初は軽く流す選手は体力はついても足が速くなることはありません。途中でへばってしまうリスクを冒してでも「速くなりたい」という想いを持って、いろんな走り方を試し、一本一本、自分のベストな走りを追求する選手が最終的に走力も向上します。
学習で成果が出ない生徒は頭が悪いのではなく、それまでの学習の方法に問題があるのだと思います。「読むだけでなく書いてみる」「参考書を変える」「通っている塾を変える」「一緒に勉強する友達を変える」など、それまでと違う方法に取り組むことで成果が大きく変わる可能性はあります。野球だって同じです。
指導者や保護者が選手を「結果」だけで評価すると、選手は「結果が予想しやすいこと」を選択します。「過去に結果が出た方法」を選択し、「良い結果が想定できないもの」を回避するようになります。
うちのチームでは現在、守備の際に「ゴロのショートバウンド捕球」を繰り返し練習しています。はじいてしまうリスクを取っても積極的にショートバウンドの位置まで動こうとする選手も居れば、無難に取りやすい落ちてくるバウンドで捕球する選手もいます。この挑戦を繰り返している選手は無難にやっている選手とは大きな差になります。
選手は「今日も無難にやりたい」ではなく「今よリももっと上手くなりたい」と思って練習に取り組んで欲しいですし、私もそんな選手の後押しをしたいと思います。