野球のプレーは「様々な動作の複合」によってできています。
工作に例えるなら身体の各部位の動かし方が「部品」、そしてその部品を順序よく組み合わせることでひとつの「作品=プレー」が出来上がります。いくら「部品」の質が向上しても、組み合わせが悪ければ「良いプレー」にはなりません。
例えば「キャッチボール」の捕球から送球までの動作は
①捕球できるところまで移動する
②捕球する
③軸足に体重を乗せる
④送球方向に足を踏み出す
⑤腕を振る
大きく分けてこの5要素の繋がりによって成り立っています。
①~⑤の要素をそれぞれ個別に改善しても繋がりが悪ければぎこちないプレーになります。例えば①→②の移り変わりをスムースにしたければ「捕りやすいところまで動く」が必要ですし、②→③を改善したければ「身体の中心よりも少し右側で捕球する」などを行えば改善されます。指導者は動作技術を指導する時には身体の個別部位に特化した指導だけではなく、「次の工程でどんな動作が必要とされるか?」を理解させながら指導しなければならないと思います。
冬の時期はそんなことをじっくり取り組む良い機会です。
プレーのレベルを上げていくためには3つの考え方があります。
(A)次の工程が行いやすい位置取りをする
(B)次の工程を重ねて時間を短縮する
(C)各個別工程の時間を短縮する
やみくもに「捕ってから早く投げろ!」と言っても選手は(C)と解釈するケースが多いように思います。(C)は個別動作を早くするわけですから筋力が必要となります。いきなり小学生にこれを要求するのは故障の原因となりますので、小学生のうちは(A)→(B)で指導していくことが適切だと思います。
選手の成長フェーズに合わせて(A)→(B)→(C)を段階を追って取り組みたいです。
次回以降、(A)→(B)→(C)それぞれをもう少し具体例を交えて書きたいと思います。