野球は「状況判断」がとても大事なスポーツです。
刻々と変わる状況を読み取り、状況に応じた判断に沿ってプレーをすることで良い結果を導きだし、最悪の状態を回避します。
その状況判断を促す時に「考えろ!」という言葉で思考を促す指導者は多いのですが、私は「考えろ!」という言葉は使わないようにしています。何故なら「考える」とは「決断する」ためのプロセスであり、大切なことは「決断する」ことだからです。
職場でもそうですが「考える」という言葉はとても都合の良い言葉です。例えば部下が「考えます」と言った時に、「考えるな!」という上司はほとんど居ません。熟考することは悪いことではないのですが、時にこの「考えます」は単なる時間稼ぎに使われることが多々あります。日本のビジネスパーソンの中には「考えるけど結論を出さない」という人がたくさん居ます。
しかし野球は「考えます」という時間稼ぎは通用しません。内野手がゴロをさばいた時、「どこに投げるか考えます」何て言っていると、その間にランナーはどんどん進んでいきます。間違いだろうが何だろうが、まずは決断しなければなりません。
だから選手には「どうしたい?」「どうすべきだと思う?」「今すぐにできることは?」「今やらなければならないことは?」など、決断を促すような言葉をかけるように心がけています。
「決断の質」を高めるために「考える」は必要です。しかし「決断する」という目標が不明確なままでの思考はあまり意味がありません。「決断する」癖を付かないままの状態で「考え方」を教えても効果が薄いと思っています。
前にも書いたことがありますが、子どもたちはいずれ大人になり、「決断」をしなければならない場面がたくさん訪れます。
その時に「決められる人」になって欲しいと思います。